株式分割 2005 3 27
週末に、チャートブックを見ていると、
株式分割の銘柄について、「様変わりした」と思います。
2004年の前半までは、株式分割の銘柄については、
権利確定日へ向けて、株価が上昇しましたが、
今は、権利確定日へ向かうほど、嫌われる傾向にあります。
むしろ、売り急ぎすら見られます。
これは、分割の権利落ち以後の混乱を嫌う傾向があるのでしょう。
たとえば、信用取引(制度)で買った銘柄が株式分割されると、損をする場合があります。
なぜかというと、信用取引(制度)の場合、単純に、分割割合で、株価が小さくなるのではなく、
代金決済などの方法で建単価の調整が行われると、
必ずしも、分割割合の株価に一致しない場合があります。
この場合、権利落ち後に、株価が急騰しないと、元が取れない場合があり得ます。
たとえば、1株80万円の株が、1:10の株式分割となった場合に、
この銘柄を、制度信用取引で所有したまま権利落ちを迎えると、
単純に、1株8万円になるのではなく、代金決済などの建単価の処理によっては、
たとえば、1株10万円で買ったことになる場合があります。
しかし、現実の株価は、8万円ですので、
権利落ち以後に、何回か、株価が急騰しないと、損をすることになります。
そういうわけで、信用取引(制度)で買った銘柄が、
株式分割の権利確定日が近づくにつれて、急いで処分する動きが出てきます。
さて、現物で、株式分割予定の銘柄を所有している場合は、
こういう心配はありませんが、子株が手に入るまで、2か月程度ありますので、
その間、新興市場の銘柄の場合、何があるか、わかりませんので、
2か月程度、リスクを抱えていると言えます。
また、現物株を、信用取引の担保としている場合、
その現物株が1:10の株式分割となった場合は、担保価値も10分1となります。
これは、信用取引を多用する個人投資家にとっては、避けたい事態でしょう。
こうしたデメリットがありますので、株式分割予定の銘柄は、
株式分割の権利確定日へ向かうほど、嫌われる傾向にあります。
(注意)
こうした株式分割の取り扱いは、証券会社によって違う場合があります。
必ず、取引をしている証券会社で、お確かめください。
また、私は、株式分割については詳しくありませんので、
間違っている場合もあります。
その場合は、電子メールで、ご連絡ください。